2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

レベッカ・ブラウン『私たちがやったこと』愛の自家中毒

【以前の「眼と首」につづいて、昔書いた、悪くないと思っている文章をブログに転用する。もっとも、まったく契機なく書いて事実世に出ていなかった前回の随筆と異なり、こちらは一度曲がりなりにも公表したことのある書評だ。書評には860字という制約があっ…

西岡兄妹『花屋の娘』そのうえなぜ言葉などに

『花屋の娘』は絵本だ。作者の西岡兄妹は雑誌『ガロ』系統の漫画家として知られるが、それら漫画については私はうまく読めずに、ただ本書だけを手元に置いている。 一応、以下では本書の展開をすべて明かしていることを、あらかじめ記しておく。 あるところ…