2023-01-01から1年間の記事一覧

白昼夢通信

玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることのよわりもぞする……内に巣食う厭悪が人を取り殺すものならば、早く私自身だけを取り殺してくれればいい。生きながらえれば秘め損ねたこの厭悪は、他人を取り殺してしまいそうだから。…… ☆ くるみさん お元気です…

何らかの意味で悪である

好(す)きにならなきゃいけないと思(おも)ってつらかったんだね*1 以前先達に、創作を続けてね、と言われたことがあり、あれはどういう趣旨だったのかと甘えた質問をしたことがある。覚えはないけれども私が人にそう言うなら、と前置いて、君は自分の作品に必…

受粉の季節

受粉の季節がやってきて、もちろん他の時期にもそれぞれ受粉をする多くの植物がいるのだろうけれど、私に感受できるのは大半この頃に飛ぶ花粉らしい。植物は交接のため突端に粉を生じ、気流に乗せて頒布する。浮遊のはて、仲間の花に吸着すれば交わり子を殖…

張り出し塔で耳は(ディラン・トマス)

EARS IN the turrets hear Hands grumble on the door, Eyes in the gables see The fingers at the locks. Shall I unbolt or stay Alone till the day I die Unseen by stranger-eyes In this white house? Hands, hold you poison or grapes? Beyond this…

詞華集3

神とか信仰について語る資格が私に与えられているか知らないが、私がいつもあたたかに思い返すのは次の挿話だ。 これは、ペルシア戦争のときに、ペルシア軍の侵入を危惧するデルフォイの人々に対して、神託が答えたことと一致している。デルフォイの住民は、…

五七五2

魂に絶縁状のフオウマツト 左目が肉はないのに羽ばたくよ くちなはの口が目玉の速射砲 脳の奥を頻りにさぐる鉤爪がある 些細な風に散る雪は脆き数珠 引き出だせばふるへてひかる踊り食ふ くちびるを尖らせて吐いた薄字を固定 橋といふ闊歩されゐるアイライン

「しるし」あとブニュエル

楽曲を聴きながら清酒を飲んでいる。 しばしばRYUTist「しるし」(作詞・作曲・編曲=パソコン音楽クラブ)を聴いている。こういう言い方はそれまでの時間を待機にしてしまうようで紹介とするには不適切なのだけど、特に全体4分のうち2分7秒頃から始まるなん…

意志や倫理についての雑な話

今日の記事は粗雑で意味の通らないものになるだろう。問題にしたいことにまったく私の言葉が追いついていないからだ。といって問題にしたいことがなにか高度な問題というわけではない。ただ私の言葉が追いつかない。 私はひとつの物語を寓話として好んでいた…

供養会8つ

かつて書きあがらなかった記事たちの残骸をいくつか公開する。供養というか、執筆継続が生む追善によってのみこれらの記事は成仏できようところ、それを手放して楽になるために公開するのだから、ただの遺棄だとは思う。掲載順と執筆順は特に対応していない…